ディバインゲート零

 

思えば、零に変わってからの荒みようはあまりにも見ていられなかった。
期間は1年だが非常に重く苦しい期間だったことは間違いない。
しかし、零に対してのマイナスイメージがあまりにも偏り過ぎた所為かあまり客観的な見方が
できていなかったのではないかと考える節もある。
この零という作品をもう一度見直してみよう。

筆者はディバインゲートにおいてはソシャゲで一番やりこんだ自負がある。
こんなサイトを作るくらいに大好きだったからこそ、この零に勿論深い悲しみを感じている。
だがそれとこれは別でどういう感じだったか見直したいのを念頭に置いていただきたい。

そこそこ長文故注意されたし


2017年5月のガンホーフェスティバルにて

当時は本編でひとつの終わりを迎える瞬間が待たされ、告知で新展開がありますと聞かされていたため
自分は今日新しいユニットの進化や次のストーリーが公開されるのではとワクワクがあった。
それと同時に巷ではストーリーが大詰め故のサービス終了になるのではと騒がれていたので
そんなはずは…とも巡らせていた。
そして会場に赴き他のユーザーと交流を深めつつ待機列で待つ中
ゲームにて本編終了のエンディングが公開されることとなった。
終わっちまったのか…というショックが駆け巡った。

しかし新展開には期待があったのでまだ希望はあるとダメージは少ない方だ。
そんな気持ちを打ち砕く新展開が自分の前に出てきた。
時間が経ってディバゲ新展開発表の瞬間がきた
一同走り集って皆期待を膨らませるような空気がそこにはあった。
そして出された画像が

正直場は漠然としない空気に変わった。
「は?」とか「えっ?」とか漏れてたのも覚えている。
そのあまりに正反対なデザイン、スタイリッシュさが欠片も無くなったのは静止画だけでわかる。
うむ、それでも自分は冷静な方だった。
どう見ても場違いなデザインのタイトルを見ても、公開されるゲーム画面を見ても
触らないとわからないものな。と結論付けたからだ。

(まぁこれだけだとあまり悪くなさそうと考えてはいた)

その後、同じディバゲユーザーと沢山の交流を行い
色々な感情はありつつも無印終了までの時間を大切にする動きとなった。


実はサービス終了をほのめかす動きが既にアクワイアで起こってはいた。
このディバインゲートとはアクワイア開発、ガンホー配信のタッグで出たゲームである。
アクワイアの完全撤退により権利を売却したものと思われる動きがあった。

  2015決算 

 2016決算

ロゴの方も零に変わってからアクワイアが抹消されてるため、そうでないと納得できない。

また、2015年時点で突然新しいユニットやストーリーの更新が凄く鈍くなり
しばらくすると課金催促が透けて見えるようなものも追加されていた。

その名はキークエスト

新規で追加された降臨ボスが時間帯が限定されるゲリラダンジョン方式になり
スクラッチ(ディバゲでのガチャ)で9連続捲ると
そのダンジョンに即挑めるアイテムが貰えるというものである
やはり不評だったので最後らへんにはなかったことにされた。
というわけでこの時点で既に方針を最後の仕上げに向けて動いており、イラストやストーリーを書き溜め
最後のスパートとして打ち上げるよう、暫く進展がカタツムリになる暗黒期が訪れていたのである。
そしてストーリーが一気に加速したら盛り上がりも超加速したので、結果としては良かったのだろう。

なにはともあれ

あれは結局なんだったんだろうという伏線らしきものがそこそこ残ったが
ストーリーを終わらせたことは非常に良かったことだと私は思う。
なので新展開がある零からは気持ちを切り替えて望むことができた。

できたのだが、あれはおぞましいものだった。
本来ゲームを新しくして続けるにあたっては、ファンへの配慮がされるべきである。
零になってユーザーの心が怒りに変わったのはその配慮が ほ ぼ されなかったから。
参考として下記のインタビューをざっと読んでほしい

 「ディバインゲート零」は“新しい音楽の聴かせ方”。テー マ設定の経緯などを森下一喜氏と山岡 晃氏に聞いてみた

『ディバインゲート零』インタビュー“零”から始ま る新生『ディバゲ』のこれから──

リリース前のことである。
これらを読んでる分ではある程度配慮はする方針だったのだろう
だがそれは社長が言っていた理想含めてなにもできなかったという結果が残った。

既におかしい点がいくつもある。
リニューアルを行うから根底から直そうというのはわかる
が、いままでのシステムをそのまま残して、ユニットも全部残して
そのまま新しくやるのにスタッフ総入れ替えをしてどうにかできると思ってた所がおかしい。
ソーシャルゲームのスタッフにはファンが混じってるわけではない。
自分がまったくなにも知らない4年経ったゲームを引き継いで現状セーブデータを残して
根底から作り直せなんて言われてどうしろというのだ。
今までのキャラクター達は既に2500を越える量がある
おまけに沢山積んでできあがったシステムを見直す。
それを開発1年ちょっとほどでやるなんて…

さらに狙った客層を間違えている。
上記のインタビューでやらんとしてることは完全に新規のゲームだ
普通は現ユーザーが抱いているこのゲームへのイメージを維持し、
リスペクトしないと離れることは火を見るより明らかだし
そのユーザーが離れればそんな酷いゲームやる必要ないよねと噂が回るのも明らかだ。
今までのユーザーを取り込みつつ新規も獲得できるような180度デザインを変えたリニューアルゲーム。
…そんなものをソシャゲでやって成功できるとは思えない。

始まる前でそんな状況だったが
開始すれば更にやばいのが露呈するのは当然だった。

夏頃に更新予定だったが結局リリースが地味に伸び9月下旬に更新された。
その惨状は運営スタッフも騒然としてたのだろうと想像できる。
開始直後に起こったのはとにかく動作が重い。早速緊急メンテとなった。

落ち着いたところで再び開始すると
恐ろしいことにデザインがまるまる変わったのは上辺だけでなく徹底的だったことだ。
ディバインゲートは細かいところまでスタイリッシュさを追求したゲームである。
それは戦闘場面だけでなく強化合成や進化させるところもだ。
Levelupする瞬間のエフェクトや
発光させながら巧みに画像を差し替えEvolvedの文字と共に輝かしいものが出てくる瞬間
それは何度も起こるため慣れてしまうとさほどではないが初見のカッコ良さは正直度肝を抜かれた。

そして演出面にすごい拘りをもった作品だったのだとあらためて理解させられるほどに
零は陳腐になってしまった。
これはいくら文句を言われようとも使いまわす方がよかったというくらいだ。
強化においては一括されて何事もなく小さい画面でスッと終わる。
進化においては陳腐な音と共にわかりやすく絵が差し替えられるだけである。

まぁ見てもらえば一目瞭然…


陳腐さという面はやはり戦闘面にも及んでいて
特に顕著だったのはサウンド全般である。
そのサウンド一つ一つが聞いていて嫌になるという感情が出てくる。
どこかぞわっとする選択音、キーンと耳鳴りのような攻撃音
パネルを捲る音も、当時のカードを捲るようなシュッという面影もなく

 「モッ」

というモッサリどころではないものになってしまった。
ここに爽快感という文字はどこにもなく
むしろ不快感を前面に押し出したものだらけ。

自分は見た目以上にサウンドの存在が嫌だった。
なにしろサウンドがまともだったら
爽快感だけはまだあるものだったと思えるからだ。
基本のBGMに関しても同じく酷い印象である。
上記のインタビューで音楽を兎に角推していた癖にどうしてこうなった。
単調で似たようなフレーズがずっと続くだけである。何も耳に残らない。
カッコいいを重要視していないという部分にはほほう、と思ったけども
裏付けるものがどこにあったのだろうか…
少なくともOPとして扱われてる曲、ゲーム内のバンドのテーマソング辺りは
ちゃんとしてたから評価はできるが他の普段からずっと聴くことになるBGMにおいては
陳腐で片付けられるものだ。

良かったところなんていうのは無印にて不満が残ってた細かいちょっとしたものの修正である。
そんな細かな修正も少しだけ。それより大幅に改変されてしまった全体のほうが深刻という結果。
総じてユーザーから何もかも ダサい と言われたのはこういう理由である。


ではストーリーはどうか。
個人的に話自体はまともというか面白い方だった。
だがまた内容なんかより不満でそれを覆す大きな壁が目の前にあった。
零のストーリーは基本アドベンチャーでよくある会話を読むパートが挟まれる。
そのパートを挟む前にクエストをクリアする必要があるのだがいくつくらいクリアしたら妥当と思うだろうか?
無印基準では、一つクリア毎にエリアの説明が入るためいつまでも読めない煩わしさはないだろう。
自分もあって二つ三つクリアと思っていた。

最初こそ3クエストとまぁ予想通りと思ってたが進めると

次に読むまでのクエストが増えていくのだ。

なぜ序盤で簡単でなんにもないクエストをやらなくてはならないのか。
最初のエリアの時点で3クエスト、5クエスト、8クエスト、8クエスト…
きっとこれを作ってた人は正常な頭になってなかったのだろう。
新規にしろ古参にしろこんなものをやらされて次が読みたいと思うわけがない。
次のエリアにいくと12クエストをクリアしてからと更に頭が痛くなった。しかもそれが三つ。である
ひとまず2エリアだけのストーリーを読まされた時点では内容より長い苦痛のが先にきた印象だ。
その後、既に極少ないユーザーから悪名高い評価となるシブヤエリアが追加された。
ここでストーリーエリアを挫折する人は更に増えた。
ただでさえ怒りや呆れでやる気をなくしたユーザーを更に振るい落とすという暴挙である。
いったいどんなエリアだったのか。

 

ストーリー数は計12。

その中のクエスト数は最低8。

全部クリアして数えたところ

クエスト総数は100越え

のをやらされたのである。
なお、ここまでのクエスト数の修正は一切されずサービス終了を迎えた。

(今見ても頭おかしいと思う)

その後追加されたハラジュクエリアからはやっとまともになったというのに…
以降は基本3クエスト毎にストーリーを読める方式に統一。
どうして以前のものをこれで統一しなかったのか。


そしてゲームバランス。
結局これもやはりまともにはならなかった。
最初から欠陥が浮き出てる作りが露呈。
総合体力を突然個別体力に変更し、死んだら確定で蘇生できる保証がないという
あまりにもあんまりなシステムになった。
ついでに鍵を探して扉を開けて、ボスまで向かうという探索パートを撤去したので
ボスまでの道のりはスムーズになったものの、逆に探索分を含めての調整で
発動までのスキルターンが長めだったのだがこれをほぼそのまま続投した。
一応ターン短縮となる対策はとられたが、挑むクエストによってばらつきが凄いし
短縮方法の自由度が減ったので結局苦痛となった。

さらにユーザーが基本攻略の楽しみとなる降臨は
新規者を完全においてけぼりにした古参でも苦渋を味わう悪夢の難易度となった。
個別体力と蘇生システムが完全にストレスの元になっており
ランダムで致死量の攻撃がどれか一人に行われることが起こるようになって
それが運悪く火力要員だった場合なにもできなくなるという…

無印にて脳みそを溶かしたようなお手軽強パーティでもボコボコにされる難易度

それが最初から出てくるだなんて誰が予想しただろうか。
そしてその対抗ユニットとしてフェス限ユニットが投下されるわけだが
正直それがあっても簡単になるというほどではなかった。
一部明らかにとんでもない化け物性能が生まれて
そいつが最後まで最強の座に君臨したが、それでも簡単!とは言えないのである。


して、ディバゲといえばコラボである
というくらいに他作品とのコラボはこれを遊ぶ世代にはドンピシャを当ててきた。
零の第一弾はミクコラボ。
何度かやってたのもあってこのユニットらはすべて進化を実装するという粋な計らい。
イラストも文句は特にでなかった。むしろ良い。
そっちはよかったけども進化した割には性能がさほど変わらず
進化の恩恵をイラストだけしか体感できないような調整に呆れもした。

最終的にコラボはけいおん!とAngelBeats!
今までの再コラボは特に行われずどれも音楽ルーツだった。
一応コラボにおける不満は特になかった。
イラストも印象を損なうことがなく性能も無難の無難。
新規者には良いとは思ったものだが…評判ね…

2018年に入る頃となると自分もプレイを離れることとなるが
そのあたりでだいぶ改善更新が行われるようになった。
蘇生方法が結構緩和されたり
キャラクターの閲覧における表示がかなりわかりやすくなったり
最大ステータスが見れるようになったりと
肝心な一番不満だった色々は結局あちらのコンセプト故になにもされなかったが
まともに遊ぶことができるくらいにはなったのである。
といっても、その頃にはもうユーザーはかけ離れている。
他のゲームでも見たことがある初見の印象悪さが尾を引いて
どんなにすごく改善されようとも戻ることがない現象だ。


そして最後に2018年9月中期
ついにサービス終了が告知され
ユーザーから多数の「ざまぁみろ」と「やっと解放される」という声が響き渡った。
まさかそこから課金の受付終了して逆にふた月ほど9連スクラッチ毎日できる分のチップ配布がきたり
ポイントショップの購入金額をまとめて1にしたり
最終的にチップを使わずスクラッチするようになる別のポイント制度になったりと
終わりになったらとことん楽に溺れさせるような方針をかましてきたが。


最後の最後でやばいことに、お蔵入りになるのがもったいないのか
零の登場予定だったキャラクターと共に無印の改変ものがくっついてきた。
自分にはさして気にしたものではないが、この界隈においてそれはタブーに近い。
中には本家絵師のちゃんとしたイラストが混ざっていたのでそれはそれで凄くありがたかったが
プロフィールに書かれている内容でどう考えても元からかけ離れた性格を見せ付けられるものがあった
正直ここのサイトで漫才改変してやってる面子並みの悪ノリじゃないかと思えていたたまれなくなった。

 

そして、零の〆となるストーリーに、

無印に登場したディバインゲートが

なんと零の世界に乗り込んでくるという話がでてきた。

まずひとつ。無印のネタバレをするとディバインゲートは結果として消滅したという話になっているが
どうも零においては「全ての次元を混沌へ導く存在」ということでどの世界でも出現するらしいと。
無印キャラのクロウリー他主人公表三人と連絡を取り合いディバインゲートの扱いどうするの?って相談した結果
…そう結果から言うと

消滅させるとかそういうのじゃなくて遠くにやっちまえという結論であった。
なので数年後にはまた顔出してくるから今後も観測しとかないとねってオチ
そしてこの話を最後に零の話は終わりになり、結局本編のストーリーは丸投げにされてしまった。
二つの世界の争いは収まるのかもわからんし、今後も頑張っていこう!的なまとまり方で

如何にも

俺たちの旅はこれからだ!

である。

 

なんとも言えない感情が芽生えた。
ただ一応フォローを添えると、無印の話をないがしろにしてるというわけでもなく
登場したキャラクター達にはあまり違和感を感じさせないセリフで連絡を取る姿が見られた。
とはいえど、やはり零の出来栄えはどことなく最後には

ディバインゲートとコラボをした風なエンディング

と自分は思ってしまった。


まとめとして、作ったスタッフにはかなり問い詰めていきたい気持ちがあるが
逆にこんな方針で作ってよく持ったほうだし、お疲れ様でしたと言いたい。
誰もがこのゲームを続編のような扱いで作らなければよかったのにと考えたことか…
既存ユーザーをないがしろにしつつ自分のやりたいことをくっつけて売り出すという
されたら嫌だろうとわかるとんでもないことを自ら公言してたということ
それをガンホー代表取締役社長CEOには深く深く身に刻んでほしい。

 

ちなみにサービス終了後、公開された図鑑アプリがあるが

正直あまりにもあんまりな内容な上におまけとしてこんなものがある

https://mobile.gungho.jp/reg/rules/dge.html


お前たちの文句は

  一切受け付けない。

らしい
 
 
愚痴にも等しい長文を読んでくださりありがとうございました。